- 行政・業界団体
23/07/24
経産省・国交省、フィジカルインターネットで食料・衣料など業種別作業部会
経済産業省と国土交通省は2040年までに、IоTやAIを活用し物流の見える化、パレット規格化を図り共同物流につなげる「フィジカルインターネット」構築を目指している。業界別の課題に合わせて話し合うため、複数の業種で作業部会が立ち上がっている。
小売り、日用品・食品の卸を中心としたスーパー向け作業部会では、物流サービスレベルに応じて物流費を変動させる価格体系の導入案が議論されている。発注方式や受け渡し場所・方法などの物流サービス水準を規定するものを案として示した=表。
日用品・食品といった消費財では、商品価格と目的地までの運賃を合計した「店着価格制」が一般的。物流費からは物流効率化の状況を判断しづらく、昨春に策定したフィジカルインターネットのアクションプラン(行動計画)では、共同物流実現へ改善が必要なものとして挙がっていた。
また、アパレル物流を主なテーマとする百貨店の作業部会では今年、納品代行企業によるデータ連携や共同配送を組み合わせた開店前納品の是正に関し実証を行っており、年度内には本格的な開始を見込む。納品に間に合わせるために行われてきた夜間検品の削減を図る。
化学品では、メーカー主導で13日に作業部会が設置された。物流子会社や物流企業も多数参加。5回程度開催し、フィジカルインターネット実現へ30年までに取り組むべき行動計画に関し、方向性を年内に決定する。
自主行動計画内容も検討へ
6月2日、経産省、国交省、農林水産省は物流の適正化と生産性向上へ、発着荷主と物流企業が早急に取り組むべきことをガイドライン(指針)として策定。その中で、ドライバーの残業上限規制に伴う24年問題に関し、業界・荷種別に行うべき対策を、年内に自主行動計画でまとめるよう要請している。
経産省は、各業界・業種の計画策定状況を12月ごろ、指針の対応状況を来年3月までに確認する方針。