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23/07/14

デンソー、複数の荷主・物流企業とスワップボディー車で幹線中継輸送を実証

 デンソー(本社・愛知県刈谷市、林新之助社長)は7月10~14日、複数の荷主・物流企業と共に、業種の垣根を超えた複数の荷物を混載して運ぶ幹線中継輸送サービス「SLOC(Shuttle Line Of Communication)」の実証実験を実施した。

幹線中継輸送サービス「SLOC」の流れ

 静岡県浜松市と埼玉県坂戸市に中継地点を設定し、関東―関西間の幹線ルートで実施。コンテナ部分が脱着できるスワップボディーコンテナ車を活用し、中継地点で複数のドライバーが交代しながら輸送を行った。

 コンテナ分離の特徴を生かし、ドライバーの輸送作業と荷役作業を切り分ける荷役分離の他、QRコード(2次元コード)によるコンテナ管理システムを導入し、異業種の複数荷主が同じコンテナに荷物を積載する混載輸送を検証した。

スワップボディーコンテナ車を活用し、中継地点でコンテナを交換

 中継拠点では、ドライバーによるコンテナ脱着の正確性、コンテナ管理システムの利便性の他、複数荷主の貨物を混載輸送した場合の役割分担・責任区分を確認した。
 今回、デンソーは実験のまとめ役を務め、アスクル、エレコム、タカラスタンダード、三井倉庫ロジスティクスが荷主として参画。安田運輸が荷主以外に、混載作業を手掛けた。
 また、大和ハウス工業は、中継地点として物流施設「DPL坂戸Ⅱ」を提供。アートバンライン、遠州トラック、高伸物流、トランコム、フジトランスポート、優輪商事の6者が協力会社として運送を行った。実験期間中は1日当たり関西発・関東発各3便を運行。事前に合意したスケジュールに沿って、各社の運用手順を検証した。
 SLOCは、中継地点でコンテナを分離し、指定されたコンテナに載せ替えて目的地へ輸送する。トラックの乗り換えや荷物の積み降ろし、トラック同士の待ち合わせなどが不要。柔軟な運行スケジュールが立てられ、従来の長距離運行を、複数ドライバーによる日帰り運行に変更することができる。ドライバーの拘束時間を短縮しつつ、荷主は労働環境を守りながら荷物を目的地へ運べる。