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23/07/12

トラック事故、半年で昨年累計迫る勢い 全ト協が注意喚起

 事業用トラックが第1当事者となる交通事故が、前年の累計件数に迫る勢いで多発している。国土交通省が毎週配信しているメールマガジン「事業用自動車安全通信」によると、2023年1~6月に発生した事業用トラックが第1当事者の事故は前年同期比8件増の18件=表。半年で、昨年累計の25件まで7件と迫る状況となっており、全日本トラック協会は各都道府県トラック協会を通じ、会員企業に事故防止策の徹底を強く呼び掛けている。
 国交省の事業用自動車安全通信によると、今年に入り1月、3月、4月、6月の事故件数がそれぞれ前年同月を上回った。死者数は6カ月累計で前年同期比13人増の21人、負傷者数も6カ月累計で同55人増の58人と大幅に増加。飲酒事故は同4件減となったが、半年で5件発生している状況だ。
 中でも、1件当たりで3人が亡くなった事故が3月に三重県、4月に群馬県、5月に宮城県で発生。2人が亡くなった事故が北海道、静岡県、愛知県、広島県、富山県で計6件起きた。1件で10人以上が負傷した事故も、1月に沖縄県で20人もの重傷者を出した衝突事故をはじめ3件起きた。

運行管理と点呼の徹底要請

 こうした事態を受け、全ト協は7月6日、坂本克己会長名で各都道府県ト協会長に対し、事故多発に関する注意喚起の文書を発信。「国民の生命・財産を奪うこととなる社会的影響が大きな交通事故、飲酒事案の発生が相次ぐことは、業界の社会的信頼性の失墜のみならず、築き上げてきた荷主、社会全体からの信頼関係をも根底から崩壊させかねない」とした上で、事故の再発防止に徹底を期すよう要請した。
 注意喚起では具体的に、無理のない配車計画の策定を含む運行管理の徹底、遠隔点呼や自動点呼を含む確実な点呼の実施、アルコール検知器による飲酒の有無の確実な把握を求めている。