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23/07/04

送料無料、通販へ表示規制措置へ消費者庁と全ト協が意見交換

 消費者庁は6月23日、通販などの送料無料表示見直しに向け、全日本トラック協会(坂本克己会長)の馬渡雅敏副会長らと意見交換した。今後、通販業者の話も聞き、できるだけ早期に送料無料表示をする通販に対する規制をまとめる。
 馬渡副会長は、荷物を消費者に届けるため、燃料代や車両費、人件費といったコストがかかっており、「送料は運送の対価で無料ではない」と強調。上昇するコストへの転嫁を求めた。「(通販業者など)荷主の先にいる消費者に、物流で費用がかかっていることを理解してほしい」と理解醸成を求めた。
 また、物流に対する消費者意識の改善、仕事はただではない、(無料の仕事と思われることで)トラック運送業界の地位が著しく低下し人手不足につながっているといった、送料無料に対する運送会社やドライバーの声も紹介。その上で、馬渡副会長は「送料無料ではなく、かかっていることが分かる表現にしてほしい」とし、「当社負担」「別途負担」といった表現を例に挙げた。

負担状況や影響を聞き取り

 消費者庁は今後、通販業者に対し送料無料表示の意図、商品価格への反映状況、消費者支払いでない場合の負担者、見直した場合の通販会社や消費者への影響を聞き取る。
 政府が2日にまとめたラックドライバーの残業上限規制に伴う2024年問題の対策を盛り込んだ政策パッケージの中で、運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されるべきとの観点から、「送料無料」表示を見直す方針が示されていた。

意見交換の様子。馬渡全ト協副会長から、送料無料表示に対する物流業界の影響に関し話があった