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23/06/28

JM×トランシィ×JR貨物、半導体材料ガス輸送でトラック&鉄道を併用

 半導体の製造工程で使う特殊ガスの供給を手掛けるジャパンマテリアル(=JM、本社・三重県菰野町、田中久男社長)、日本トランスシティ(本社・三重県四日市市、安藤仁社長)、JR貨物(同・東京、犬飼新社長)の3社は、JMが供給する半導体材料ガスについて、三重―岩手間でトラックと貨物鉄道を併用したトライアル輸送を行っている。

半導体材料ガスを鉄道コンテナに積載

 トラックドライバーの労働時間規制強化に伴う2024年問題やカーボンニュートラル(炭素中立)への対応として、持続可能な物流体制を構築することが目的。デジタル化の進展で重要性が高まる半導体の製造に使用する、半導体材料ガスや危険品を含む薬品類などのサプライチェーンの強じん化を図る。
 従来、JMが供給する半導体材料ガスは、三重―岩手間でトラックのみで輸送。24年問題への対応や物流面の環境負荷削減を図るべく、トラックと鉄道の組み合わせによるモーダルコンビネーションに向けた取り組みとして、トラックと鉄道を併用した輸送の検証を行うこととした。今回のトライアルでは、三重県の四日市駅から岩手県の水沢駅まで貨物鉄道で運び、駅への持ち込み、駅からの持ち出しはトラックが担う。

四日市駅に向かうトランシィのトラック

 今回の取り組みを通じ、JMは二酸化炭素排出量の削減と持続可能な物流体制の構築を通じ、顧客の安定操業とグリーン調達活動への寄与を追求する。またトランシィも二酸化炭素削減と物流効率化による作業負荷軽減を図る重要な取り組みと位置付けている。JR貨物は、環境特性や労働生産性など鉄道の優位性を生かし、物流生産性の向上とグリーン社会の実現を目指すとしている。