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23/06/19

標準的な運賃・働き掛け制度、「当分の間」延長決定 6月14日事業法改正案成立

 2024年3月末までの時限措置とされた標準的な運賃の告示制度と、荷主に対する働き掛け制度が「当分の間」延長される。2つの措置延長に向けた議員立法による貨物自動車運送事業法の改正案が、6月14日の参院本会議で可決・成立した。
 標準的な運賃と、荷主による違反原因行為への対処である働き掛け制度は、24年4月からの残業上限規制適用などを踏まえたドライバーの労働条件改善を主眼に、18年の事業法改正で創設。一方で、コロナ禍や燃料高の影響でトラック運送企業の経営環境は厳しさを増し、荷待ち時間の削減や適正運賃収受などによる労働条件改善と担い手確保のための取り組みは道半ばになっていた。
 業界では、働き方改革と安定輸送の確保には2つの措置の継続的運用が必要との機運が高まり、全日本トラック協会の坂本克己会長が中心となって与野党に法改正の趣旨説明を重ね、今国会での成立が実現した。
 14日の改正案成立後、金沢市で開かれた日本貨物運送協同組合連合会主催の全国大会で来賓として出席した坂本全ト協会長は、標準的な運賃と荷主に対する働き掛けの2つが、2日に政府が示した政策パッケージの根っこになると強調。「官民一体で業界を何とかしないといけないという熱い思いが、トラック運送に対する社会の注目につながった結果。あしき商慣行を打破し、しっかりと適正運賃が収受できる、より良い業界にしていかなければならない」と語った。