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23/06/12

5月物価高倒産、運輸は6件 帝国データ調べ

 帝国データバンクの調べによると、2023年5月の「物価高倒産」は前年同月比約2・9倍の67件。このうち、運輸業は6件だった。1~5月の累計は前年同期比約5倍の312件。建設業(67件)、製造業(66件)に続き、運輸業は44件と3番目の多さだった=グラフ1。
 電力各社が6月から電気料金を値上げする中、物価高の影響による倒産件数は、今後も高水準で推移しそうだ。
 5月の物価高倒産の業種別では、建設業が16件となり、2カ月連続でトップ。倒産要因は「原材料」が30・7%を占め、資材高が響いた。運輸業は6件だが、建設業と同様にエネルギーコスト、包装・資材が倒産要因だった=グラフ2。
 物価高倒産の全体件数は前月比10%減だったが、3カ月連続で月60件を超えた。原材料高を中心とした値上げ圧力は徐々に低下しつつあるが、人件費の上昇、電気・ガスなどのエネルギーコストの上昇が、コストアップの大きな要因となってきている。
 帝国データは、物価高に収益改善が追いつかず、倒産に至るケースを物価高倒産と定義している。全体の企業倒産も増加傾向の中、物価高倒産はこの先も大幅な減少に転じることなく、高い水準が続くとみている。