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23/06/07

米TuSimple、自動運転トラック運用で日本市場に参入

 トラックドライバーの残業上限規制に伴う2024年問題の解決に向け、米国の自動運転トラック技術企業TuSimple(=トゥーシンプル)が日本市場に本格参入する。既に1月、東名高速道路での自動運転トラックの走行実験に成功し、動画投稿サイト「YouTube」などで走行の様子を公開。年内に東京ー名古屋間で走行実証を行い、来年からは完全無人自動運転トラックの走行実証に向けた準備を進めるとともに、東京ー大阪間での走行実証に着手する。

東名高速での自動運転テスト走行の映像。昼間のテスト走行(左)、昼間交通渋滞時のテスト走行

 TuSimpleは2015年に設立。米カリフォルニア州サンディエゴに本社を置く。米国・アジアで研究開発チーム約600人を抱えるグローバル企業に成長し、21年4月には自動運転関連企業として初めて米ナスダック市場へ上場した。
 米国では、既に限定エリアでシステムが全操作を行う「レベル4」の自動運転大型トラックによる幹線物流改革に取り組み、多くの米物流企業に自動運転トラックの運用サービスを提供している。米国や欧州、アジアでの自動運転トラックの累積走行実績は、テスト走行も合わせて1600万キロメートルを超えた。
 17年に日本支社TuSimple JAPAN(本社・東京、ナン・ウー代表取締役)を設立し、21年までに独自の自動運転システムと日本製トラックとの適合作業を完了。日本での自動運転トラック走行実証に向け、シミュレーターや専用テストフィールド、車両の制御に接続せず走行中の裏側で速度や距離を測定するシャドーモードなどを検証してきた。
 日本市場への本格参入を機に、国内の物流企業や関係機関との連携強化を図る。24年からは完全無人自動運転トラックの走行実証の準備を進めるほか、東京ー名古屋間から東京ー大阪間へ実証エリアを拡大する。自動運転トラックの台数増加を図りながら、検証を重ねて本格的な実運用に入る考えだ。

■テスト映像の視聴URL https://www.youtube.com/watch?v=ngXYOkDEQIw