• その他

23/05/31

伊藤忠、リニューアブル燃料の国内流通拡大へ ネステ社と協業強化

 伊藤忠商事(本社・東京、石井敬太社長)はこのほど、フィンランドのリニューアブル燃料メーカーのネステ社と商標ライセンス契約を結び、協業を強化する。リニューアブル燃料の輸入基地を確保し、今年度中にもタンカーでの輸入を開始する。リニューアブル燃料の国内流通の拡大を図り、新たに関西圏まで供給エリアを広げる。
 ネステ社のリニューアブル燃料は、廃食油や廃動植物油などが原料。石油由来の軽油と比べて、温室効果ガス(GHG)排出量が約90%削減できるとされる。既存の車両や流通インフラで運用できるため、軽油の代替燃料として運輸・建設業界などの注目を集めている。
 ネステ社は今後、リニューアブル燃料の生産量を倍増する計画。現在の生産量は年間330万トンだが、2024年初頭までに同550万トン、26年末までに同680万トンまで生産能力を増強する。
 国内供給エリアはこれまで、主に首都圏と中京圏だった。伊藤忠は25年開催の大阪・関西万博を機に、リニューアブル燃料利用の機運が高まるとみて、関西圏での供給拡大を目指す。
 伊藤忠は21年5月、コンビニ大手ファミリーマートの店舗向け配送トラックの代替燃料として、国内で初めてリニューアブル燃料の商用利用を開始した。また、伊藤忠エネクスと連携して、リニューアブル燃料の給油所などを整備。供給網を拡充し、幅広い顧客のGHG削減の取り組みに貢献している。

商標ライセンス契約締結時の様子。伊藤忠商事の田中建治アジア・太洋州総支配人(前列中央)とネステ社の担当役員ら