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23/05/30

伊藤忠、独メーカーのeVTOL型ドローンで血液製剤輸送の実証実験

 伊藤忠商事(本社・東京、石井敬太社長)はこのほど、日本初のドローンによる血液製剤輸送の実証実験を行った。社会実装に向けた医学的検証が目的で、茨城県河内町にあるドローンフィールドKAWACHIで実施。温度管理の問題から一般的なドローンでは取り扱いが難しいとされてきた血液製剤の輸送に高性能なドローンを用いることで、新たなドローン配送ネットワークの構築を推進。多様なニーズ・社会課題に対応したサービスの提供を目指す。

実験に使用した、Wingcopter社の最新eVTOL型ドローン「W198」

 今回の実験では、伊藤忠商事が2022年3月に資本業務提携・販売代理店契約を締結した独Wingcopter GmbH社製のeVTOL(電動垂直離着陸機)型ドローンを使用。東京都立墨東病院を共同研究者、ANAホールディングスを共同運航者とし、遠隔地への血液輸送を想定した長距離・長時間飛行を複数回計画した上で実施した。達成が難しいとされてきた全自動による高速での長距離安定移動の可能性を、品質管理面と併せて検証した。
 伊藤忠商事は「医学監修・協力の下、実践的な手法・機材を用いた輸送フローを検証することで、今後、ドローンが有効な物流手段の一つとしてさまざまな社会課題の解決に大きく貢献することを示していく」としている。
 日本では、22年12月の航空法改正で、レベル4(有人地帯の目視外飛行)が解禁され、ドローンの活用領域が大きく広がった。今回の実験対象となった血液は、性質上、輸送の緊急性と定時性の両方が求められ、その物流を支えるインフラや人員の確保、安定供給と品質維持が大きな課題となっている。