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23/05/22

22年度海運モーダル大賞、味の素とF‐LINEが受賞

 エコシップ・モーダルシフト事業実行委員会はこのほど、2022年度海運モーダルシフト大賞に、味の素とF‐LINEの取り組みを選定した。表彰式は5月26日、都内の海運ビルで行われる。
 味の素が三重県四日市市に増産体制の新工場をしゅん工したことに合わせ、三重から仙台市向けのトラック輸送を全て海上輸送に転換した取り組みが選ばれた。
 国内食品生産体制の見直しに合わせ、味の素は二酸化炭素の削減、輸送の安定化、ドライバーの残業上限規制に伴う2024年問題の解決を目的に、物流ネットワークを再編。これまで埼玉を経由し、仙台向けにトラックで混載輸送していたが、貨物量を確保することで、太平洋フェリーの名古屋―仙台航路の活用に切り替えた。
 またF‐LINEは下船後の陸上輸送を減らし、さらなる二酸化炭素削減を図るための取り組みも展開。下船港近くに物流拠点を構築できるよう、施設にセミトレーラーが出入りできるかや、保管条件に適合しているかといった調査を実施し、実現させた。
 この他、味の素とF‐LINEの取り組み以外にも12件25社を優良事業者として認定。名門大洋フェリーの大阪南港―新門司(北九州市)を活用した西日本ベストパッカーとエルスの事例や、商船三井フェリーの大洗(茨城県)―苫小牧(北海道)航路を活用した北海道コカ・コーラボトリングと幸楽輸送の事例などが選ばれた。
 エコシップ・モーダルシフト事業実行委員会は08年度から、海上輸送を利用して二酸化炭素削減に取り組む荷主、物流企業を選び、エコシップマークの使用を認めている。19年度からは、革新的な取り組みで最も貢献度の高かった企業に海運モーダルシフト大賞を授与している。