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23/05/18

富士通、SaaS型配車支援システムでトラックの収益向上を支援

 富士通(本社・東京、時田隆仁社長)は、SAPジャパン、尾張陸運の協力の下、トラックの積載率を高めて物流企業の収益向上を図る仕組み「合い積みネット」を、クラウド上のソフトウェアをインターネット経由で提供するSaaS(サース)型の配車支援システムを利用してサポートする。物流拠点の位置、配送先、車両、荷物などの情報や制約条件などのデータを連携し、荷台の空きを生かしたスポット貨物の合積みによる効率的な配車計画を提案。トラックドライバーの労働時間規制強化に伴う2024年問題を見据え、車両積載率・実車率の向上に貢献する。

「合い積みネット」を通じた、ベースカーゴとスポット貨物の合積みによる配車シミュレーションの流れ

 合い積みネットは、物流企業が抱える、「ドライバーの労働時間制約で、既存荷主のベースカーゴだけでは収益向上が難しい」「積載率の低さを認識しながらも数値として可視化できておらず、施策が打てない」といった課題を解決する仕組み。規定労働時間内で既存車両の収益を高め、物流各社の増収増益を後押しするものだ。
 富士通は、従来の属人的な配車計画業務のデジタル化を主眼に開発したSaaS型配車支援システム「Logifit TM-配車」を利用し、運行中の積載率の可視化や配車計画の精緻化について、合い積みネットをサポートする。 既存荷主のベースカーゴの積載率を可視化し、運行の隙間や帰り便にスポット貨物を積み合せて、さらに積載率を高めるといった効率的な配車計画作りを支援。最適な積み合わせのシミュレーションを行い、荷台の空きスペースの有効活用を促す。
 富士通は2019年から、SAPジャパン、尾張陸運と合い積みネットの開発・実証実験に取り組んできた。尾張陸運の物流拠点の配送貨物情報を基にした配車計画立案の実証では、帰り便活用と複数荷主の荷物の合積みで、通常配送時と比べて売り上げが約1・2倍、利益は約4倍になるといった効果を出した。
 富士通を含む3社は今後、物流業界での合い積みネットのさらなる認知拡大を図り、物流業務のデジタル化、社会的課題の解決に貢献していく。