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23/05/15

4月の物価高倒産、運輸業は13件 エネルギー・人的コスト上昇で 帝国データ調査

 帝国データバンクの調べによると、2023年4月の「物価高倒産」は前月比12%増の75件。10カ月連続で単月最多を更新し、18年1月の集計開始から累計で1000件を突破した。運輸業の4月の物価高倒産は、全体の17%に当たる13件=グラフ①。ドライバーの労働時間規制強化に伴う2024年問題を抱える中、エネルギーコストや人的コストの上昇が響いている。

 4月の全体の倒産件数は前月比24%減の610件と減った半面、物価高倒産が占める割合は同4ポイント増の12・3%に拡大した。運輸業は、23件の建設業に次いで物価高倒産が目立ち、製造業と並ぶ13件。倒産要因を見ると、エネルギーコストと人的コストがそれぞれ25%で、大部分を占めた=グラフ②。

 帝国データは、物価上昇分を価格転嫁できずに倒産に至るケースを物価高倒産と定義している。全体の倒産件数も増加基調にある中、物価高倒産はハイペースで増加しており、今後も高水準で推移していくとみている。