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23/05/11

ファミマ、東京や福島でFCトラックでの配送を実証

 コンビニ大手のファミリーマート(本社・東京、細見研介社長)は5月15日、福島県郡山市でFC(水素燃料電池)小型トラックの実用化に向けた店舗配送の走行実験を開始した。16日には東京都府中市でも開始。物流部門の脱炭素化を目指して、実用化に向けた検討を進める。
 弁当やおむすび、サンドイッチなどを中心に、1日3便の店舗配送コースで実施。1コース当たり平均10店舗で、3便合計で延べ30店舗に配送する。走行実験を通じて、FCトラックの燃費や航続距離、温度管理などの実用性や水素ステーションでの充てんなどの利便性を検証。今後の導入拡大について、検討を進める。
 6月以降には東京都八王子市や、江戸川区葛西などの店舗配送も実施。各1台の合計4台を運行する予定。将来的には、各地域の走行台数を拡大し、2025年度までに約30台の車両で走行実験を行う。実証期間は、車両導入から6年間。
 導入したのは、いすゞ自動車のエルフをベースにしたトラックで、最大積載量3トン。2室2温度帯対応で、対応温度は3~8℃と18~22℃。航続可能距離は約260キロメートルで、燃料タンクの水素貯蔵量は約10キログラム。
 ファミリーマートは、商品の店舗配送で、トラックから排出される二酸化炭素(CO2)を30年度までに、17年度比30%削減することを物流部門の目標としている。これまで、AI(人工知能)を活用した配送主三レーターの自社開発や、環境配慮車両の導入などを実施。22年度には17年度比17・4%の削減を達成している。FCトラックの導入で、さらなるCO2削減につなげたい考え。

FCトラックのイメージ