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23/05/01

国交省、台帳で下請けを管理へ

 国土交通省は、元請け運送会社に下請け運送会社との契約状況を管理する「運送体制台帳」の作成を義務付ける案を示した。トラックドライバーの労働環境改善に向けた運送会社に対する規制案として、4月27日に開いた国の持続可能な物流検討会で提示した。
 運送会社の契約状況を調査したところ、下請けを利用している元請けは74%に上った。一方、同業他社から仕事を委託された78%のうち49%が別の同業他社に再委託していたことが分かった。結果を踏まえ「多重下請け構造が適正運賃・料金収受を妨げている可能性がある」と国交省。取引環境改善に向け、運送会社の契約状況可視化が不可欠と判断した。
 元請けに作成を義務付ける台帳は建設業法を参考にする。建設業界ではトラック運送業界と同様、多重下請けの問題を抱え、ゼネコンが政令で定める金額以上の工事を下請けに委託する場合、下請け会社名、工事内容を「施工体制台帳」に記載する必要がある。
 この事例を基に、元請けが一定の運賃・料金額以上の輸配送を下請けに委託する場合、下請けの社名、委託する業務内容を帳簿に記録することを求めたい考えだ。