- 物流企業
23/04/25
日本郵便、1割強で価格転嫁応じず
日本郵便(本社・東京、衣川和秀社長)が下請け会社との取引で自主点検を行ったところ、100以上の郵便局で協議をせず、価格を据え置いていたことが分かった。同社は集配業務を委託する下請けと契約見直しの協議を進めており、「4月末には完了する見込み」としている。
自主点検は全国の集配郵便局1001局と13支社を対象とし、2021年6月~22年5月の取引内容を調べた。4月14日公表された結果によると、全国の13・9%に当たる139局と2支社で、下請けから価格転嫁の要請があったにもかかわらず、協議せずに価格を据え置く、または据え置きの理由を文書やメールで回答していなかった。67局は下請け代金の支払い基準で、誤認識が見られる事例があった。
本社の認識と指示遅れ原因
下請けとの間で適切な取引が行われていなかった理由に関し、日本郵便は「本社の認識と指示が遅れたため、郵便局や支社への理解浸透が徹底されなかった」とした。
取引改善のため同社は現在、全国13支社に下請けとの相談窓口を設置。4月5日時点で133件相談があり、大半が委託料見直しに関わる案件という。また、集配関係委託契約を結ぶ下請けとの契約見直しも協議。4月10日時点で約2割と合意し、残り8割とは4月末までに協議が完了する見込みとしている。
日本郵便は、中小企業庁が2月に公表した調査で、中小企業から主要な取引先(発注側企業)として挙げられた約150社のうち、最下位の指摘を受けていた。