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23/04/11

乗務前自動点呼、9社参加し5月にも実験・対面との違いなど検証

 ロボットが人の代わりに点呼を行う自動点呼を乗務前でも導入するため、国土交通省は5月から実証実験を開始する。貨物と旅客の両方で行い、トラックは9社が参加する。対面点呼と比べて安全確認を確実に行えるかや、実験中に発生した問題と対処法などを検証する。
 実験は2段階に分けて実施し、5月から1カ月程度行う1次期間では、運行管理者が同席した上で運用。7~8月に予定する2次期間では、運行管理者が同席しない状況で運用し、機器故障などの非常時のみ対応する。
 長・短距離、ルート配送、企業規模といったさまざまなことを踏まえて検証する必要があることから、日本通運、アキタ、東海西部運輸など、全日本トラック協会から推薦を受けた企業が参加する。機器はナブアシストの「テンコ・デ・ユニボ」を使用する。

ヒヤリハット回数の調査も

 国交省は対面と比べても確実に点呼を行えるかや、現場での課題などを調査するため、企業の運営担当者、運行管理者、ドライバーにヒアリングを行う。また通信型ドライブレコーダーを使いながら、同じドライバーに対し、自動点呼と対面点呼を行った時で、ヒヤリハットの回数に違いがあるかも確認する。
 自動点呼はICT(情報通信技術)で運行管理を高度化し、ドライバーや運行管理者の負担を減らしながら、運送各社に正しい点呼を確実に行わせる施策。運行管理者が行っていた点呼を、ロボットやシステムが代わりに行うことを認める制度で、昨年4月から乗務後に限り導入した。一方、乗務前はドライバーの健康管理などを正確に把握し、乗務可否を判断する必要があるため、慎重に導入を検討している。