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23/04/11

東京都など、コンパス活用で待機車削減へ搬出入車両予約を推進

 東京都や国土交通省などは、東京港で輸出入コンテナの搬出入車両予約の実証事業を推進している。国が運営する予約システム「CONPAS(コンパス)」を活用。予約対象の車両やコンテナを増やすなど運送各社が使いやすい仕組みにすることで、港周辺の搬出入車両の待機削減を目指す。
 昨年8月から、都内品川区の大井1~4号ターミナルで3回ずつ実証。午前8時~午後4時までに1時間単位の予約枠を毎日6つ用意するとともに、昼にゲートが開かれる一部期間にはさらに2つの予約枠を追加した。
 また、運送各社のニーズを踏まえ、予約対象車両に傭(よう)車を追加。大井3・4号ターミナルでは、予約車用のレーンを増やし、搬入の予約も可能にした。
 国交省は、円滑な配車や無駄な待機防止へコンパスの機能も整備。フォワーダーや荷主が船を予約した際の番号がコンパスを通じ運送各社にも共有される機能で、通関の遅れで搬出入するコンテナが不明な場合でも、運送各社自らが仮予約できる仕組みだ。
 他には、国が運営する別のシステムにターミナル側が登録した輸入コンテナの搬出可否の情報を、運送各社がコンパスを通じ確認できるようにした。コンテナを搬出するか不明なままでドライバーが指示を待つ必要をなくした。

待機時間6~7割削減

 直近の2月8~21日の実証では、東京都トラック協会の海上コンテナ部会56社・1510台が参加登録。1・2号ターミナルで1152本、3・4号ターミナルで1943本のコンテナが予約された。昨年度の実証で予約なしの場合に比べ、搬出で6割、搬入で7割の平均待機時間を減らせた。
 今年度は、搬出入車両予約実証を行う対象ターミナルを1つ増やす計画だ。

予約者専用の待機場。待機時間削減につながったとの声も