• 物流企業

23/04/03

ロジネットジャパン、「DDロジ」を開始

専用の紙パレットについて説明する橋本社長

 ロジネットジャパン(本社・札幌市、橋本潤美社長)は4月3日、「DDロジ」をスタートした。1パレット単位で発注を受け付け、メーカーから店舗へ商品を直送するサービス。倉庫内での積み替えや保管などを削減し、コスト負担を軽減するとともに、輸送力不足の不安も解消する。橋本社長は「(ドライバーの労働規制強化に伴う)2024年問題や環境負荷低減など、荷主に貢献できる新商品だ」と意気込む。
 DDロジは、メーカー・小売店を対象とした輸送商品。DDは「ダイレクトデリバリー」の頭文字。1100×1100ミリメートルの専用紙パレットを使用し、メーカーから小売店舗へ直送する。パレット積み付け時の高さは1800ミリメートルまで対応可能で、耐荷重は1トン。約7キログラムと軽量で、扱いやすい。ITによる輸送情報の管理、提供も併せて行う。料金は、特積みの「令和元年タリフ」を基準に、各種料金を加算して決定する。
 従来は、商流に合わせメーカーの工場から倉庫、卸の倉庫、小売りのセンター、小売店舗と流れていた物流を、メーカーから小売店舗への直送へと切り替える。特積みを含めたロジネットジャパンのネットワークを使用。主要拠点のある北海道、東京、愛知、大阪を中心にまずサービスを開始する。

物流の起点を小売りに変革

 DDロジは、物流の流れを小売り起点に切り替える。一方、パレット単位の納品になるため、納品先となる小売店舗は、スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどが主な対象となる見通し。「保管スペースが十分にある小売企業に届けるサービスとしてスタートする」(田中淳弘取締役兼専務執行役員)。
 小売りの協力を広く得るため、協力して物流効率化が実現した場合、協力金を支払う枠組みも構築する。「管理コストや倉庫・物流センターでのコストも削減できる商品。広く利用してほしい」(橋本社長)。
 日本の商習慣として、メーカー側が物流を手配する形が一般的だった。そのため、受取手となる着荷主には、物流効率化のメリットが伝わらず、手待ちや無償の付帯作業が横行している。DDロジの普及で、小売り起点の物流を構築。発荷主から着荷主までを巻き込んで、供給網全体で物流効率化に取り組む体制づくりにつなげる。
 橋本社長は「DDロジは、ドライバー不足に起因する物流混乱に対応できる。また、資源として再利用可能な紙パレットを使うことで、環境負荷低減にも貢献する。広くPRして利用拡大につなげたい」とする。

DDロジのイメージ