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23/03/30

ヤマトHD、水面上飛行機を開発する米国企業へ出資

 

「シーグライダー」のイメージ図

 

 ヤマトホールディングス(本社・東京、長尾裕社長)はこのほど、水面上から数メートルの高さを電動で飛行する機体「シーグライダー」を開発する米スタートアップ企業リージェント・クラフト社に出資した。新たな貨物輸送の手段となり得るモビリティーの知見を深め、物流ネットワークの高度化に取り組むことが目的。
 リージェント社は、沿岸都市間を低コストで高速・安全に飛行する、貨物や旅客の新たな輸送手段としてシーグライダーの開発を推進。ヤマトHDは、リージェント社の高い技術力や競合優位性を評価し、グループのベンチャーファンド(基金)「クロネコイノベーションファンド」を通じて出資することを決めた。
 シーグライダーは、地表や水面付近で翼が受ける揚力が大きくなる地面効果と呼ばれる現象を活用して飛行する「地面効果翼機」に分類される。離着水時に機体下部から水中翼を伸ばし、水の抵抗を最低限に抑えながら機体を安定させる仕組みを搭載。振動が少なく安定した低速飛行が可能なほか、バッテリーで駆動するため飛行中に二酸化炭素を排出しない環境配慮型の機体だ。
 リージェント社は2022年5月、開発中のシーグライダーの4分の1スケールの機体で無人飛行に成功。目下、有人化に向けた開発を進めている。