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23/03/29

ヤマト、外食のコロワイドMDと持続可能SC構築へ協定締結

 ヤマト運輸(本社・東京、長尾裕社長)は3月28日、「牛角」「かっぱ寿司」「大戸屋ごはん処」などの飲食店チェーンの経営管理を担うコロワイドMD(同・横浜市、磯野健雄社長)と、物流業務の管理やサプライチェーン(SC)改革を含むリードロジスティクスパートナー(LLP)の協定を締結。コロワイドグループが注力する給食事業の原材料調達から製造、物流、販売に至る過程を皮切りに、持続可能なサプライチェーンの構築を進める。
 複数の飲食店ブランドを展開するコロワイドグループのサプライチェーン全体の可視化・最適化を進めるとともに、ヤマトが提供する輸配送ネットワークを通じ、効率的で循環型社会の形成にも資する持続可能なサプライチェーンの構築を目指す。
 皮切りとして、今夏から、ヤマトが強みとする多頻度小口配送の仕組みを活用し、コロワイドが注力する給食事業の拡大 に向けた運用を開始する。商材の保管・出荷拠点をヤマトのターミナル一体型施設に集約し、届け先のニーズに合わせた効率的でスピーディーな出荷を実現する方針。小口多頻度の全国配送にも対応し、配達までのリードタイムも短縮していく考えだ。
 さらに外食事業では、商品の種類や物流拠点からの距離、注文量の違いで効率化が十分ではなかった小規模店舗に対し、ヤマトの輸配送ネットワークを用いた安定的な物流の仕組みを構築する。

両社が目指すサプライチェーンの全体像

 株主優待品や直販ECサイトといった個人向け外販事業の展開についても、ヤマトの施設・ノウハウを活用し、出荷量や商品ラインアップのさらなる拡大を目指す。また、サプライチェーン全体の可視化・最適化による環境負荷の低減にも取り組む。
 今後の展開として、調達・製造領域から店舗への納品、さらに拡大が見込まれる海外事業でも、両社の知見とノウハウを生かしていくほか、温室効果ガスについても直接・間接排出にとどまらず、関連する他社の排出を含めたサプライチェーン全体での削減へ協力して取り組む方針だ。