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23/03/06
トランコムら、RFIDを活用した災害時の被災地への共同物流を実験
トランコム(本社・名古屋市、武部宏社長)と、メーカーや卸、船社と強力し災害時の被災地への輸送共同化に向けた実証実験を行っている。地震や豪雨で交通インフラが寸断されたと想定し、代替え配送ルートの構築で、被災地の店舗へ販売用の生活必需品を供給する体制の構築を検証する。実施主体は三菱UFJリサーチ&コンサルティング、大日本印刷、東芝テックの3者。
人口の8割が生活する太平洋側に大規模災害が起きたことを想定。東名高速道路などの主要幹線道路が寸断したことを想定し、新潟から関東・東北へと輸送する日本海側ルートを海陸2経路で構築する。また商品にRFID(無線自動識別)タグを貼り付け、メーカーから店舗までの配送経路でいつ、どこに、何が、どれだけあるのかをリアルタイムで把握する仕組みも構築する。
海上ルートは、1月20~24日に実施。協力メーカーの各拠点から、トランコムの茨木の拠点に荷物を集約。閃光汽船のトレーラーで敦賀港まで運び、新日本海フェリーの航路で新潟へ輸送。閃光汽船のトレーラーが横浜の関東卸物流拠点まで輸送する。メーカーとしては牛乳石鹸共進社、小林製薬、サラヤ、サンスター、大日本除虫菊、マンダム、卸はパルタックが参加した。
陸上輸送は3月6~9日に実施。関西各メーカー拠点からトランコム茨木に荷物を集約。トランコムのトラックで、新潟にある卸物流拠点を経由し東北の卸物流拠点へ輸送。そこから卸のトラックが、東北の小売り物流拠点へ輸送。店舗までは小売りのトラックが輸送する。メーカーは海上輸送と同じで、卸はあらた、小売りとしてツルハが加わった。
災害時の輸送を確保すると共に、情報共有体制も構築する。1月に先行して実施した海上輸送では、物流拠点や港で商品ケースに添付されたRFIDタグを読み取り、情報共有システムに記載。メーカーや卸が生活必需品がいつどこにあるかを即時に把握することが可能だと確認した。今後、陸上輸送でも積み残しや積み間違いなく店舗への供給が可能であることを検証する。