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23/03/01

阪急阪神エクス、パンダのシャンシャンの中国返還に輸送で貢献

 阪急阪神エクスプレス(本社・大阪市、谷村和宏社長)は2月21日、ジャイアントパンダ「シャンシャン」(メス5歳)を中国・四川省の成都双流国際空港まで送り届ける輸送の手配をした。上野動物園で生まれ育ったシャンシャンの中国返還に伴う輸送。動物輸送のパイオニアとして、元気な状態での返還に大きく貢献した。
 21日早朝、園舎から特注の輸送箱にシャンシャンを移し、専用の輸送車両に積載。午前7時10分に園を出発し、8時30分に成田国際空港・保税蔵置場に到着した。シャンシャンを輸送車両にのせたまま検疫と輸出通関を済ませ、午後12時15分に中国・順豊航空のチャーター機に搭載。この間、シャンシャンは興奮する様子もなく、定刻通りの同45分、成都に向けて飛び立った。
 同日の現地時間午後5時15分、定刻よりも10分早く成都空港に到着。同空港保税蔵置場内で、中国ジャイアントパンダ保護研究センター(CCRCGP)側への引き渡しが完了した。輸入通関後、CCRCGP手配の車両で同6時50分に空港を出発。シャンシャンは同日午後10時6分、同空港から南西へ約100キロメートルのCCRCGP雅安碧峰峡基地に無事到着した。今後の飼育施設は現在未定だが、同基地での検疫後に繁殖準備に入る。
 シャンシャンの中国返還輸送は、コロナ禍の影響で2020年から5回にわたって延期されていた。阪急阪神エクスの動物輸送チームは今回の輸送計画で、上野動物園の飼育係がチャーター手配の貨物専用機に同乗できるように尽力。申請時は中国がゼロコロナ政策を実施していたが、飼育係同乗での輸送体制を整え、シャンシャンにストレスを与えない安全な輸送を実現した。

成田空港で航空機に搭載(画像は東京動物園協会提供)

上野動物園を出発する輸送車両(画像は東京動物園協会提供)