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23/02/28

経産・国交・農水3省、省エネ法参考に物流生産性向上で規制案

 経済産業省、国土交通省、農林水産省は17日、発・着荷主と物流企業の生産性向上策に対する規制措置案を提示した。省エネ法を参考に、荷役や物流施設周辺での待機削減、納品回数見直しなどの業務平準化に関し規制を盛り込んだことがポイント。物流・荷主団体への聞き取りを経て夏以降、法制化を目指す。
 3省は8日、トラックドライバーの長時間労働抑制へ中間まとめを提示。非効率な商慣習の是正、荷主の意識改革について既存法令を参考に、荷主への規制を考えるとしていた。
 17日の持続可能な物流検討会で示された規制案は、省エネ法を参考にし、労働時間削減や物流平準化に関しては発・着荷主と物流企業を対象とする。政府は、対象企業による社内体制や取り組みを基に物流生産性向上の判断基準を3省の大臣告示で定める方針で、従来の物流関連の指針を基本とする。
 また、輸送量が一定以上に達している場合は特定事業者と位置付ける。基準となる輸送量は物流・荷主団体の聞き取り、輸送統計を基に検討する。倉庫や物流子会社を対象とするかも議論する。対象企業の判断基準順守については努力義務とする向きだ。
 特定事業者には2つの義務を想定。物流生産性向上の計画を策定し、政府へ数年をめどに提出させるとともに、取り組み状況を政府に毎年度報告させる内容だ。守れなかった場合は勧告・命令を行政処分で課すとしている。既に省エネ法では車両保有台数や総輸送量で定めた特定輸送事業者、特定荷主に限り、計画策定や取り組み報告を義務化している。

荷主経営層の意識改革規定

 発・着荷主の経営層の意識改革にも踏み込む。省エネ法では、工場を対象に省エネ計画を管理する「エネルギー管理統括者」を定めているが、物流生産性向上策の進ちょく管理でも新たに「物流管理統括者」の設置を求める。
 持続可能な物流検討会のオブザーバー25団体に対し、留意事項や物流効率化への課題を聞き、実態を踏まえた規制とする考えだ。