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23/02/21

NEXCO中・西日本、1月の新名神大雪立ち往生で検証

 大雪時にはちゅうちょなく通行止めを実施へ――。中日本高速道路(=NEXCO中日本、本社・名古屋市、小室俊二社長兼CEO)と西日本高速道路(=NEXCO西日本、同・大阪市、前川秀和社長)は、1月下旬の大雪で三重と滋賀県内の新名神高速道路で大規模な立ち往生が発生した検証結果と再発防止策をまとめた。今後、ドライバーの人命最優先を基本とし、手控えの要請とためらうことなく通行止めの措置を行う。

高速道路各社は今後、立ち往生の解消と除雪を強化していく方針(写真提供:NEXCO中日本)

 

 両社は前年度から、大雪で立ち往生の発生が見込まれる時には、車両の滞留を徹底的に回避する「予防的通行止め」を実施する方針に転換したが、今回は防げなかった。
 検証結果では、新名神高速の渋滞は断続的に発生していたが、滞留が一時的との判断を下した。また名古屋―大阪間を結ぶ名神高速道路や名阪国道が既に通行止めされ、「東西の大動脈の確保で、通行止めの実施を躊躇した」(NEXCO中日本、NEXCO西日本)という。結果として運用ルールの徹底が図られず、大規模な立ち往生につながった。

ドライバーの人命を最優先

 今季の再発防止策では予防的通行止めの実施を再徹底する。同時に、除雪が困難となる渋滞や滞留が予見されると、「人命を最優先し、ちゅうちょなく通行止めを実施する」(同)。今回、新名神高速の管轄が両社をまたぐ区間だったことから、関係をより強化し、情報共有を進めていくことも確認した。
 最長28時間かかった立ち往生の解消では、関係機関も含めた応援を迅速に要請する。滞留に巻き込まれたドライバーにはサイトを使った情報提供の強化を図るとともに、反対側車線を同時に通行止めとし、円滑な支援にも努めるとしている。

寒波予報も「ノーマルあった」

 一方で、立ち往生に巻き込まれたトラックは少なくなかったが、「一部ではノーマルタイヤだった車両もあった」(NEXCO中日本)。今回の大雪で気象庁は事前に「10年に1度の寒波」と注意喚起していたため、利用するトラック企業などの姿勢も問われそうだ。今後、滞留を引き起こしたトラック企業には国が監査を行い、講じた措置が不十分と判断されれば、行政処分の対象となるなど、荷主も含め大雪が予想される場合は運行中止の判断も求められる。