- 物流企業
23/02/14
トナミHD、TCFD提言に基づき情報開示 持続可能社会実現へ貢献
トナミホールディングス(本社・富山県高岡市、髙田和夫社長)は、「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)の提言に基づく情報開示を行った。気候変動が企業活動に与える影響に関する情報を公表したもので、環境活動を通じ企業価値の向上を図り、持続可能な社会の実現に貢献することが目的。
開示情報の中で、同社グループは、「和」の経営理念を実践し、経営基本方針に基づき、持続可能な社会に向けた取り組みを推進する方針を提示。取締役会の監督・指導の下、2月に設置した「サステナビリティ推進委員会」で具体的な施策の策定・実施を進めていると報告した。
さらに、気候変動による気温上昇について「1・5度(2度未満)シナリオ」「4度シナリオ」の2つに分け、自社の事業活動に対するリスクやインパクトを分析。電気や水素など次世代トラック導入にかかる投資額や、燃料調達コストの変化などの試算結果を示した。
50年までにCN実現へ
指標と目標の項目では、2021年度の二酸化炭素排出量がグループ合計で47万3474トンだったと算出。内訳は、燃料利用に伴う「スコープ1」が27%、電力利用に伴う「スコープ2」が4%、仕入や物品購入、廃棄などに伴う「スコープ3」が69%を占めたと報告した。その上で、13年度時点でスコープ1、2合わせ約16万トン超だった二酸化炭素排出量を、30年までに35%削減、50年までにゼロとするカーボンニュートラル(炭素中立)達成の目標を示した。
カーボンニュートラルに向けた取り組みでは、20年5月に富山県南砺市に保有する遊休地をはじめ、21年3月までに全21カ所の物流施設の屋根に太陽光パネルを設置・稼動し、売電している事例を紹介。さらに、廃食油や動物油などを原料としたバイオ燃料リニューアブルディーゼルの活用や、水素トラックの実用化に向けた研究開発への参画を例示している。