• 船・鉄道

23/02/07

JR貨物・全通、明治、昭和産業と共同でラウンドマッチング輸送

 JR貨物(本社・東京、犬飼新社長)は2月、全国通運(同・同、永田浩一社長)と共に、荷役業務の省力化を図るオートフロアコンテナを活用した、明治と昭和産業の共同による鉄道でのラウンドマッチング輸送を開始する。
 JR貨物、全通、明治、明治ロジテックの4社が2021年9月に開始した岡山貨物ターミナル駅(タ)―越谷タ間の鉄道輸送で、空回送となっていた復路のコンテナを有効活用。千葉県から兵庫県向けの製品輸送でモーダルシフトを検討していた昭和産業のニーズと合致し、共同輸送の開始に至った。

ラウンドマッチング輸送の流れ

 

 輸送には全通が所有するオートフロアコンテナを利用。荷台の床を電動でスライドさせる装置を備えた貨物鉄道輸送専用のコンテナで、荷物を荷室の入り口に積み、床ごと奥にスライドさせて荷物を奥まで移動できる。積み降ろし時に荷室内で作業を行う必要がないため、作業時間の短縮と作業者の業務負担軽減につながる。

貨車に積載されたオートフロアコンテナ

 

 今回の取り組みで、明治と昭和産業2社の物流の効率化を推進。鉄道モーダルシフトによる環境負荷低減にもつながり、二酸化炭素排出量を明治では年間13トン、昭和産業では年間20トン削減できる見通しだ。
 今回のラウンドマッチング輸送は、JR貨物と全国通運が提案。荷主が手配していた片道輸送を往復輸送に切り替えることで、非効率な片道輸送の解消が可能となる。JR貨物は「グループのリソース(経営資源)を最大限活用し、顧客の抱える課題解決に取り組むとともに、顧客同士のマッチングの推進で物流業務の効率化と二酸化炭素排出量の削減を図り、持続可能な社会の実現に貢献していく」としている。