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23/02/07

国交省、軽貨物の実態把握で取引相手や安全対策などを調査

 貨物軽自動車運送の実態を把握するため、国土交通省は2~3月中に、初の調査を行う。首都圏と近畿圏の個人事業主を対象に、事業形態や取引相手、点呼の実施状況などを確認する。今年度内に結果をまとめ、安全対策の検討などで活用する。
 関東圏と近畿圏の個人事業主1万者に対し、アンケート形式のウェブ調査を行う。年齢、性別、専業か副業かの事業形態の他、どんな企業を取引相手としているかや、1日当たりの平均取扱個数、平均月収を聞く。乗務前後の点呼の実施状況、荷主による違反原因行為の有無、改善基準告示の認知状況なども確認する。
 国交省が調査に乗り出すのは、貨物軽自動車運送の事故が増加傾向にある中、国として実態を把握できていないため。同省によると、事業用の軽貨物が2021年の起こした死亡・重傷事故は365件で、16年以降、増加基調が続いている。
 一方、一般貨物自動車運送事業と異なり、事業開始は届け出制で、運行管理者の選任や、適正運転診断など特別な指導は義務付けられていない。地方運輸支局への届け出後は、事業計画の変更がない限り、国の窓口を訪問する機会がなく、国への事業報告提出も義務化されていないことから、実態を把握できずにいた。
 死亡事故などの大事故があれば監査を行うが、軽貨物は事故情報を収集することも難しく、国交省がさまざまな手段を使いながら、実態を把握することがあるという。

業務発注者への協力を要請

 また、貨物軽自動車運送の安全や適正な事業運営の確保に向けては、業務発注者を通じた対策も進める。国交省は1月30日、荷主や元請け、業界団体の関係者が集まる適正化協議会を開催。軽貨物による事故の現状、国としての取り組みなどの情報を共有した。
 堀内丈太郎自動車局長は会合で、「電子商取引の拡大に伴いラストワンマイルの担い手としての重要性が増し、輸送の安全確保、労働条件改善の重要性が高まっている」と説明。その上で「軽貨物は個人事業主が多く、順守する法令が十分に周知・浸透していない課題もある」とし、業務発注者に協力を呼び掛けた。
 当面は荷主、元請けなどを通じた対策を進める方針で、実態調査の結果や事故件数の推移を踏まえ、新たな対策が必要かを検討していく。

貨物軽自動車運送で協議会を開くのは初。同会合で調査の方針を示した