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23/01/31

金融庁、来年度の自賠責保険料を年13~17%引き下げ

 金融庁は4月契約分から、自動車賠償責任保険(自賠責)の保険料を引き下げることを、20日の審議会で決めた。営業用貨物自動車で1年契約の場合、年13~17%の引き下げ率となる=表。自動ブレーキなどの安全装置普及による事故減少が理由だ。
 警察庁の調査で今年度は事故件数、死者、負傷者が全て減少。自賠責加入者の事故発生率は死亡、後遺障害、傷害いずれも前年度より3~4%減り、被害者へ支払う保険金も減少した。来年度以降も2%程度少なくなるとみている。
 これを踏まえ、来年度からの自賠責保険料を見直す。一例では1年契約の場合、離島・沖縄以外で最大積載量2トン超の営業用普通貨物車とけん引貨物車で今年度より15・1%安くなる。新たな保険料は2万4100円となる。
 一方、交通事故で重い障害を負った人の支援充実と先進安全自動車の導入支援へ、国土交通省は来年度から、自賠責の一部として徴収する賦課金の使途を拡大する。
 現在の賦課金は、ひき逃げと自賠責未加入者による事故被害者への保障のみが対象で、事故で重度障害を負う若者がいることを踏まえた対応だ。
 使途を拡大する分の負担額は車種別の保険料に応じ3グループに分類。トラックはタクシーやバスと同じグループで年150円。例えば最大積載量2トン超で1年契約の場合は、現在の負担分を11円に下げ、合計で161円となる。
 支援の財源は、約20年前まで行っていた自賠責で政府が保険金を補てんする「政府再保険」の運用益を積み立てたもの。残高は1411億円で、今後十数年で枯渇すると指摘されていた。