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23/01/31

三菱ケミカルGと三井化学、化学品物流の効率化へ年度内に着手

 三菱ケミカルグループ(本社・東京、ジョンマーク・ギルソン社長)と三井化学(同・同、橋本修社長)は、化学品物流の標準化・効率化に向けて共同で取り組む。2022年度内にも、中京エリアの共同輸送をはじめとする4つのテーマで検討し、段階的に着手する。両社の輸送ネットワークを相互に活用し、ケミカルタンカーの共同利用のほか、最適な輸送ルートや貨物・車両の組み合わせを模索。持続可能で強靭な化学品物流の実現を目指す。
 まずは両社の事業所・工場が立地する中京エリアで、出荷製品を集約。同エリア内や他エリアへの輸送を共同化する。
 また、主に中小口貨物について、三菱ケミカルグループの西日本~関東エリア、三井化学の東北エリアの輸送ネットワークを相互に活用する。
 内航船も共同利用する。ケミカルタンカー(液体化学品輸送船)の貸し借りや積み合わせで、積載率を向上。BCP(事業継続計画)の確立を図る。
 両社は同様の課題を抱える化学業界の物流分野で、会社の枠を超えた横断的な取り組みを目指す。貨物と車両のマッチングツールを試験運用し、将来的には多数の企業とのマッチングを展開。化学業界の共同物流の拡大につなげる。
 三菱ケミカルグループは「特殊な形態、制約条件の多い化学業界の物流領域では、『競争』だけではなく『協調』による課題解決が求められる。今後広く化学業界で取り組みを加速させていきたい」、三井化学は「日本の競争力強化に資するべく、物流分野で共同化・共有化を進めることは有意義な取り組み。両社の物流ノウハウとDX(デジタルトランスフォーメーション)技術を融合し、化学品物流分野でのナショナルイノベーションをリードしていく」とコメントを発表した。