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23/01/19

SDコラボ、製薬3社と医薬GDP準拠で初の共同輸送

 スズケン(本社・名古屋市、浅野茂社長)の子会社で医薬品物流に特化した3PL会社のエス・ディ・コラボ(=SDコラボ、同・東京、副島秀継社長)は1月から、小野薬品工業、塩野義製薬、田辺三菱製薬の製薬3社と、厚生労働省の医薬GDP(適正流通基準)ガイドラインに準拠した、国内初となる共同輸送の取り組みを始めた。

SDコラボが認定したトラックを使用し、集荷と配送を行う

 4社共同で策定したGDP管理基準を適用し、SDコラボが認定したトラックを共用することでトラック積載効率を高め、使用台数を減らす。ドライバー不足に対応し、医薬品の安定供給を図る。物流コストの圧縮、二酸化炭素排出量の削減にもつなげる。
 SDコラボが全国11カ所(東日本6カ所、西日本5カ所)の配送センターで製薬3社の医薬品を配送センターに集荷し、卸会社別に仕分けして混載して配送する物流全般を請け負う。実運送はSDコラボの協力会社十数社が、製薬3社の物流拠点からの集荷と、卸各社への配送を行う。
 厚労省の医薬GDPガイドラインは流通経路の管理保証と完全性の保持、また偽造医薬品の正規流通経路への流入防止が目的で2018年に発出された。物流では保管、積み降ろし、輸送時に医薬品ごとで温度帯保持の徹底が求められる。
 一方、医薬品輸送では、医薬知識の取得やていねいな荷扱いなどを合わせ、高いスキルが求められることからドライバーが不足気味。また燃油価格の値上がりもあり、医薬品物流体制の維持で「大きな課題がある」(スズケン)。そこで今回の共同輸送を実現させた。
 スズケンは、3社以外の製薬企業の参画も視野に入れる。22年7月にグループのP・J・D ネットワーク(本社・東京、赤沢善博社長)が戦略的パートナーシップ協定を結んだ三井倉庫ホールディングスとも連携しながら 医薬品の共同輸送を推し進めていくとしている。