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23/01/16

厚労省、荷待ち対策で特別チーム

運送企業による荷待ち情報の提供は、厚労省のホームページからできる

 昨年12月の改善基準告示改正に合わせ、厚生労働省は本格的な荷主対策に乗り出す。全国の労働基準監督署に特別チームを発足し、長時間の荷待ちを発生させる発・着荷主に改善を働き掛ける。
 特別対策チームは、都道府県の労働局で任命する荷主特別対策担当官を中心とし、ドライバーの労働条件改善と確保の知見を持つ労働基準監督署のメンバーで編成する。改善の働き掛けに当たっては、労基署による運送企業への立ち入り調査と共に、ホームページ上に新設した「情報メール窓口」から情報を収集する。窓口では、運送企業が荷待ちを指示した荷主や元請けの所在地のある都道府県を選択し、具体的に指示を受けた時期や回数、労基署による要請を行っていいかなどの情報を提供していく。

 問題確認時は改善を要請へ

 労基署が調査で長時間の恒常的な荷待ちを確認した場合、改善に努めることや、運送業務の発注担当者に改善基準告示を周知し、ドライバーが順守できるように協力することを要請する。発・着荷主が改善に取り組めるよう、都道府県労働局のメンバーが荷待ち時間改善の好事例の紹介などもアドバイスする。
 特別チームの発足は、昨年のトラック改善基準告示を検討する作業部会で、使用者側の代表が求めていたもの。トラックは他業種に比べ長時間労働で、労災支給決定件数が最も多い業種の半面、長時間労働の原因に取引慣行をはじめ、運送企業の自助努力だけで見直すことが困難なものがあり、国の対策を要請していた。
 厚労省は、長時間の恒常的な荷待ちを発生させる発・着荷主の情報を国土交通省とも共有し、来年4月の新たな改善基準告示の適用を前に、対策を強化していく考えだ。