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22/10/11
厚労省、荷役作業の安全を確保に向け荷主責任を明確化へ
厚生労働省は、荷主先での荷役関連労災の減少に向け、荷物の積み降ろし場所を管理する荷主責任の明確化を検討する。一人親方など個人事業者の安全衛生対策に関する検討会で議論していく。
同検討会では、安全衛生法が定める労働者に対する保護義務の対象を、請負関係のある一人親方に加え、資材を搬入するドライバーなど、同じ作業所で働く労働者にも拡大する方針だ。
荷主の役割については、8月まで開催されていた、荷役作業の安全対策に関する検討会で委員から出された意見をベースとして検討する。例えば、荷主との契約内容に荷役作業時の安全対策を含み、荷主がその費用を負担する、荷主が所有するカゴ台車などの整備・点検を適切に実施するといった内容を議論する。
ガイドラインの周知も必要
荷主先で荷役をする際の荷主責任は、2013年に厚労省が発出した「荷役ガイドライン(指針)」で示している。床の凹凸や照度の改善、混雑の緩和、できるだけ風雨が当たらない荷役作業場所の確保など、安全な荷役作業環境の確保について具体的に記している。
だが、荷役ガイドラインの周知は進んでいない。20年に陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防)が荷主を対象に同ガイドライン講習会を開き、参加者にアンケートを行ったところ、約9割が同ガイドラインを「知らない」「名前だけ知っている」と回答。荷役災害防止に関心を持つ荷主でも、認知度が低い状況で、厚労省は同ガイドラインの周知も進める。