• 物流企業
  • 船・鉄道

22/09/28

川崎近海ら、バイオ燃料でRORO船の試験航海

 川崎近海汽船(本社・東京、久下豊社長)はこのほど、清水(静岡市)-大分(大分市)航路で、バイオ燃料を活用した試験航海を開始した。RORO船「豊王丸」の運航で利用し、モーダルシフトとバイオ燃料の利点を掛け合わせて港湾の脱炭素化を後押しする。
 豊王丸が寄港する大分港と清水港で、岸壁停泊中にユーグレナ社のバイオディーゼル燃料「サステオ」を給油する。内燃機関を変更せずに船舶の主燃料の重油と混焼できるが、今回はサステオのみを代替使用。通常業務に支障がないことを検証する。岸壁停泊中の二酸化炭素(CO2)排出量は、実質で最大2割ほど削減する見込み。
 給油は鈴与商事が担う。鈴与は2021年から、自社の宅配水配送車両でサステオを使用開始。22年には鈴与グループのフジドリームエアラインズの航空機にサステオを給油した実績もある。
 サステオはバイオマス(生物資源)が原料。燃焼段階ではCO2を排出するが、バイオマス原料が成長過程の光合成でCO2を吸収する。CO2排出量は実質プラスマイナスゼロとみなされ、カーボンニュートラルに貢献する。

バイオ燃料で試験航海する「豊王丸」(左から豊王丸の戎谷機関長、濱村船長、ユーグレナ社の尾立エネルギーカンパニー長、川崎近海汽船の川崎常務、静岡県清水港管理局の斎藤局長、鈴与商事の太田専務、川崎近海汽船船舶部の平野部長)