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22/09/27

国交省、特車申請の利便性向上で道路情報の電子化推進

 特殊車両通行許可のオンライン申請で利便性を高めるため、国土交通省は道路情報の電子化を進めている。今年度から、通行審査に必要な道路情報をまとめた「道路情報便覧」の収録を年1回から4回に変更した。地方自治体の管理する道路が未収録の結果、物流拠点と主要道路を結ぶ区間の申請ができない課題があることから、早急に対応する考えだ。
 国交省は今年度から、特車が通行できる経路をオンラインで検索・確認するシステムを導入した。ドライバー不足によりトレーラーなど車両大型化の需要が拡大する中、審査から許可までの期間を大幅短縮できるのが特徴で、国の電子データベースに収録した道路で利用できる。
 一方、道路情報の電子化は地方自治体が管理する道路で進んでおらず、国交省によると、道路情報便覧の収録率は昨年度末時点で、高速道路と一般国道が100%なのに対し、都道府県道は約71%。市町村道はわずか3%ほどしか収録されていない。未収録の結果、物流拠点と主要道路をつなぐラストワンマイル区間がオンライン申請の対象にならず、ユーザーの利便性をどう向上させるかが課題だった。
 このため、国交省は今年度から、道路情報便覧の収録頻度を年4回に増やし、道路情報の電子化を加速する。特に利用の多い地方道路では、国が収録を代行していく。

運送企業に新システム周知

 また、多くの運送企業にオンライン申請を利用してもらうための取り組みも進める。4月の制度を導入後、国交省が全日本トラック協会の協力を得て、運送企業などにアンケート調査をしたところ、9割以上が新システムを「知っている」と答えた半面、利用率は2割弱にとどまった。
 理由として、手数料の高さや希望経路が検索できないことに加え、システムの操作に不安を感じる回答が多かったことから、国交省は利用マニュアルの普及を図るとともに、運送企業を対象とした講習会も開く考え。使い方のサポートをより充実させ、オンライン申請の利用を促進する。