- 統計・データ
22/09/09
物価高倒産、道路貨物運送は36件
帝国データバンクによると、2022年1~8月の物価高に起因する倒産は150件。その内道路貨物運送は36件で最多となった。燃料価格が急激に高騰する中で、価格転嫁が進まずに経営体力が続かなかった。物価高は、今後も続く可能性が高く「厳しい状況が続く」(帝国データ)。
業種別にみると、運輸業が42件で全体の28%を占める。続く建設業は34件で23%、卸売業・製造業が共に23件で15%を占める=グラフ。運輸業の中心は、道路貨物運送業で36件。その他は道路旅客運送業が2件、水運業が1件、運輸付帯サービス業が3件だった。
運輸業界、とりわけ道路貨物運送業で倒産が多いのは、「価格転嫁ができていないため」(帝国データ)。中小企業が多い道路貨物運送業界は、価格交渉力が弱く、急激なエネルギー価格の上昇を適切に転嫁できなかった。一方で、エネルギーコストの上昇率は前年に比べて「3~4割となっていて、すべて転嫁するのは難しい水準」(同)。
円安の影響などもあり、今後も物価高は継続する見込み。まだ物流業界は、「人手不足など他のコストアップ要因も抱えており、厳しい状況が続く」(同)。物価高が継続すれば、じわじわと企業体力が削られていくため、「今後も(物価高倒産は)続くだろう」(同)。
この調査は、倒産企業への取材の中で、燃料や原材料の高騰などの物価高を倒産理由に挙げた企業をまとめたもの。そのため、実際はさらに多い可能性がある。