- 統計・データ
22/09/07
物流システム機器統計・21年度、前年度比5・6%減も4年連続5000億円超
日本ロジスティクスシステム協会(JILS、大橋徹二会長)によると、2021年度の物流システム機器の総売上高は前年度比5・6%減の5393億100万円だった=表。4年連続で5000億円を超えたが、直近3年間は徐々に減少。半導体不足の影響が長引き、メーカー各社の生産供給が需要に届かない現状が顕在化している。
機種別の売上高は、自動倉庫が同13・5%減の1180億300万円。その内、パレット用自動倉庫が同17・3%減の497億7200万円、クリーンルーム向けは、同18・4%減の272億5000万円。
台車系は同11・7%減の1157億6400万円。天井走行台車、有軌道台車、無軌道台車のすべてで減少した。
垂直搬送機は同2・8%減の125億8500万円。このうち、パレット搬送用が同1・0%減の101億4600万円、ケース・ピース搬送用は同9・5%減の24億3900万円。コンベヤー系は同3・1%増の1398億5300万円。17年度以降、増加傾向が続いている。
仕分け・ピッキング系は20年度にあった大幅な売上減からやや回復し、同13・1%増の286億5200万円。このうち過半数を占める仕分け機は同0・7%増の189億6800万円。
WMS(倉庫管理システム)を含むコンピューター関連全体は同5・7%減の384億1700万円。ハードウエアが同2・7%増の一方、ソフトウエアは同5・9%減の243億2000万円。JILSでのシステムの統計範囲は物流機器メーカーに限られ、物流システム機器の制御などに利用されるものであるため他機種の出荷傾向に影響される。
海外市場は同11・9%減の1495億500万円。このうち5割を占める台車系は同18・2%減の759億9100万円。海外市場全体で売上割合の高いクリーンルーム向けの売上高は、同17・0%減の1160億2900万円。クリーンルーム以外は同12・2%増の334億7600万円だった。
出荷の先行指標となる受注額についても調査。21年度の出荷額は前年の受注金額の93・0%にあたる5800億2800万円だった。一方、21年度の受注金額は約8468億円で、前年より大幅に伸びている。JILSは「昨今の労働力不足の問題への対応に向けて物流システム機器の需要が急増している」と分析。その半面、今後は半導体不足などの影響で機器生産・出荷率が伸び悩むと見て「受注額と出荷額の開きは大きくなるのでは。次年度以降も金額の変動について動向を注視する必要がある」としている。