• 行政・業界団体

22/09/05

国交省鉄道局、災害時の代行輸送確立へ貨物駅整備を推進

 国土交通省鉄道局は来年度、災害時のトラックでの代行輸送確立へ貨物駅の整備を推進する。駅でコンテナを円滑に積み替えられる体制とする。
 この数年、台風や豪雨に伴う鉄道寸断が相次いでおり、積み替え施設や大型コンテナ機器の未配備が問題だった。そこで工事費と国費の計17億8000万円のうち一部を、来年度の予算要求に盛り込んだ。
 具体的には長期不通発生時でも、不通区間手前の駅までコンテナを運ぶ鉄道をう回させ、トラックにコンテナを積み替えられるよう、収容能力増強に向けた取り組み、荷役機械導入を推進する。
 また国費3億9200万円の一部を活用し、環境対策、ドライバー不足対応などで鉄道利用拡大を目指すため、3つの調査を行う計画。

利用拡大向けて3つの調査

 二酸化炭素排出量算定について鉄道に特化した仕組みをつくるため、利用運送企業と荷主に、計算に必要な情報の入力方法や項目を尋ねる。積極的に鉄道輸送へ転換している荷主には補助要望も聞き、環境対策に関心がある荷主を取り込む。
 40フィート背高の国際海上コンテナについては利用運送企業と荷主に、新たに運行してほしい区間を聞き、東京—盛岡(岩手県)間以外への拡大を目指す。対象は鉄道利用がない荷主も含む想定だ。
 トラックや航空よりリードタイムが短い新幹線を貨物専用で使えるよう、利用運送企業と鉄道利用中の荷主に走行を要望する区間を尋ねる。結果を基に、有識者検討会を立ち上げるか考える。
 災害対応、利用増に向けた調査は、3月から行ってきた貨物鉄道の使い勝手改善などを議論する会合を受けたもの。災害時の代行輸送などは、7月の中間取りまとめで課題として挙がっていた。