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22/08/30

国交省、組織改正で自動車局に物流部門移管

 国土交通省は来年度、自動車局に総合政策局の物流部門を移管する方向で調整を始めた。現在、自動車局と総政局がそれぞれ手掛ける物流行政を一体的に行える組織に見直し、サプライチェーン(SC)の最適化や脱炭素化などに対応する。
 自動車局が2023年度の組織・定員要求に盛り込んだ。公共・交通物流審議官部門のうち、物流政策課と国際物流を担当する部署、貨物利用運送や倉庫などを担当する部署を移管する。来年度中に省内の組織を変更する方向で調整する。

 国交省は現在、トラック行政を自動車局が、貨物流通の効率化や国際物流、貨物利用運送、倉庫などを総政局が所管している。一方、物流では、さまざまな問題が業界全体に関わっている。
 例えば、24年4月からドライバーの残業時間を年960時間までとする罰則付き上限規制の対応では、自動車局が手掛ける荷待ち時間の削減や付帯作業の改善などに加え、モーダルシフトの推進や拠点網の集約といった総政局の分野との連携が重要になる。脱炭素化やDX(デジタルトランスフォーメーション)についても、サプライチェーン全体での取り組みが必要になっている。
 このため、物流で最も利用頻度の高いトラックを所管する自動車局を中心としつつ、総政局の物流部門を移管する必要があると判断した。「労働時間の上限規制や脱炭素化、DX、自動運転などの課題に対し、ほかのモードと連携することで、より効果的な施策が推進できる」(自動車局)。

 移管後も、総政局の物流部門が進めてきた施策はこれまで通り進めていく。物流行政を一体的に行う組織に変更し、さまざまな課題の解決を前進させる考えだ。