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22/08/30
国交省自動車局・23年度予算概算要求、環境車補助に12億円計上
国土交通省自動車局の2023年度予算概算要求がまとまった。一般会計の総額は22年度比1・7倍超の34億1500万円を求めた。環境性能の高い次世代自動車の補助事業に22年度比3倍の予算を計上するとともに、働き方改革などの施策も推進し、運送業界の課題解消に当たる。
来年度予算要求では、自動車分野の脱炭素化に向けた費用を手厚く求めたのが特徴で、22年度比2・5倍の13億2100万円を計上した。このうち、運送企業が電気トラック、ハイブリッドトラックなど次世代自動車を導入する際、一部費用を補助する予算は同3倍の12億100万円を要求。「運送業界でグリーン化意識が浸透し、補助金のニーズが高い。要求額を増やし、需要に対応する」(自動車局)。
トラックの脱炭素化では同3・1倍の7000万円を要求。共同配送などの輸送効率化を進めると、どのくらい二酸化炭素排出量を削減できるかを定量的に測り、事例集を作成して業界の取り組みを後押しする。複数の運送企業で中継輸送の実証実験も行い、適切な中継地の設定や積載物の引き渡し方法、マッチング方法などを検証する。
働き方改革の推進には同14%増の1億500万円を求め、標準的な運賃の浸透状況を含む業界の労働実態調査や、ホワイト物流推進運動の啓発活動を進める。AIやIoT技術で、ドライバーの長時間労働是正と荷主の課題解決につなげた取り組みを調査・検証し、他の企業に横展開する事業も継続する。
安全項目は事項要求目立つ
一方、安全関連予算の多くは要求金額を示さず項目だけを記載する「事項要求」とした。自動車損害賠償保障法などの改正により、来年度から自動車損害賠償責任保険(自賠責)の保険料を引き上げるためで、歳入がどのくらい増えるかを踏まえ検討する。長年、自賠責保険料の運用益を財務省に貸し付け、半額程度が返済されない状態が続いていることから、今回も返済を要求し、その結果と合わせ、具体的な項目と予算額を決める。
安全関連では、運送企業がASV(先進安全自動車)やドライブレコーダー、デジタルタコグラフといった支援機器を導入できるよう、補助事業を継続する考え。自動車事故の原因究明・防止対策に必要な調査研究費用や、無車検・無保険車の対策など、従来の施策も盛り込んでいく。
来年度概算要求ではこのほか、日野自動車の排ガス・燃費不正を受け、大型車の認証審査手法の見直しに向けた調査事業を新たに盛り込んだ。要求額は3200万円で、海外の試験方法や審査手法を調べた上で、各メーカーが基準を守れるよう、大型車の特性を踏まえた厳格で効率的な試験方法などを検討する。