• 物流企業

22/08/19

三菱倉庫、より高度な品質管理へ新たな医薬品物流データPF構築

 三菱倉庫(本社・東京、藤倉正夫社長)はこのほど、医薬品物流データプラットフォーム(基盤)「エムエルチェーン」の運用を開始した。サプライチェーン(供給網)全体をリアルタイムで可視化。より高度な品質管理をDX(デジタルトランスフォーメーション)で実現する。
 エムエルチェーンはブロックチェーン(分散型台帳)などのデータベース技術を活用。また、システムに蓄積されたさまざまなデータを分析し、業務プロセスの自動化・省人化や業務負担の軽減を図る。サプライチェーン全体の最適化やサステナブル(持続可能)な物流の実現につなげる。
まずは、製薬企業の製造工場、物流センターから医薬品卸倉庫への配送までのメーカー物流で運用を開始。温度管理・位置情報などのサプライチェーン上の重要情報をリアルタイムで可視化し、クラウド上で共有・把握する。
 今後、メーカー物流では国際物流への拡大を図る。また、国内ではメーカー物流の枠を超えたサプライチェーン全体の可視化を目指す。これまで可視化が難しかった領域の情報も網羅(もうら)し、在庫水準の適正化や安定供給の維持に向けた活用を見込む。
 このほか、在宅医療の促進などによる患者宅直送型の新たな流通スキームの構築支援も視野に入れ、流通に関わる様々な事業者と連携。サプライチェーン全体で高度な品質管理を共有する、汎用性の高いオープンプラットフォームとしての運用を見据える。
 同社は2015年から、医薬品のGDP(適正流通基準)対応の医薬品保冷配送サービスを構築・展開してきた。厳格な品質管理が求められる医薬品物流で、今後ますますの多様化・複雑化が見込まれる中、エムエルチェーンの運用でより高水準の品質保証・安定供給に貢献する。