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22/08/12

上士幌町、ドローンで牛の受精卵を輸送し移植に成功

 北海道の上士幌町は7月1日、ドローンを使った牛の受精卵の配送を実施した。肉牛業界の抱える子牛不足を解決するため、凍結しない受精卵の広域配送の可能性を探る。
 和牛の受精卵を供給する研究・事業化を進めるJA全農ET研究所の協力の下、新鮮な受精卵を7・1キロメートル配送。乳牛に移植する実験を行った。ドローンはエアロネクストの物流専用ドローン「エアトラック」を使用した。
 肉牛業界は、子牛不足が深刻になっている。ET研究所は、受胎率の高い冷凍・凍結を行わない「新鮮卵」での受精卵移植を進めている。ただ、新鮮卵は、採卵当日に移植を行う必要があり、広域流通が困難となっていた。
 今回の実験で、ドローンの温度管理や振動、配送後の移植の評価など新鮮卵の広域配送に関する課題を確認。ドローン輸送が、実用に耐えられることを確認した。今年度中に、4回の実験を行い、実用化に向けての検討を行っていく。