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22/07/15

安田倉庫、スワップボディコンテナ輸送の実証実験を実施

 安田倉庫(本社・東京、藤井信行社長)は6月29~30日、国内初の冷蔵温度帯でのスワップボディコンテナ輸送の実証実験を実施した。中継輸送による待機時間の減少や車体と荷台の分離中の荷役作業分離による労務環境の改善を目指す。
 子会社の安田運輸(同・横浜市、井上薫社長)と業務提携先である中央倉庫と共に、日本トレクス、フジトランスポートと共同で実施。GDP(医薬品の適正流通基準)に準拠した温度マッピングで安田運輸横浜営業所(横浜市)から安田倉庫茨木営業所(大阪府茨木市)まで冷蔵温度帯での中継輸送を実施した。

実験の概要図

 横浜営業所を午後5時半に出発した車は、8時半に静岡県浜松市のコネクトエリア浜松に到着。大阪府東大阪市の中央倉庫の荷主拠点を5時に出た車と合流し、コンテナを入れ替える。1時間休憩し10時に出発。冷蔵コンテナを積んだ車は中央倉庫の京都PDセンター(京都府)に翌日午前1時半に到着。翌朝6時に、持ってきた車とは違う車で安田倉庫の茨木営業所に向けて出発。8時に到着する。
 一方の冷蔵コンテナを積んできた車は、中央倉庫の荷主の荷物を載せたコンテナを積み、安田倉庫守谷営業所(横浜市)に翌午前1時半に到着。午前9時に、持ってきたのとは別の車が中央倉庫東京支店埼玉営業所(埼玉県加須市)に向け出発。11時に到着する。
 コンテナは、シャーシを切り離しての冷凍運転が可能。冷凍・冷蔵だけでなく-25℃~+25℃の範囲で庫内温度を保つことができ、冬期や寒冷地などの低温度環境下における設定温度帯での輸送でも活躍する。今後は、同コンテナの活用をメディカル輸送分野の新たなソリューションとして昇華させることを目指している。
 荷役分離によりドライバーが輸送業務に集中できるため、輸送品質の向上や輸送の安全が確保される。また、中継輸送はトラックの走行距離や待機時間のアイドリングが削減され、二酸化炭素(CO2)排出量を抑える効果も見込む。

茨木営業所でコンテナを着脱。ドライバーが運転に集中できる環境を整える