• 物流機器メーカー

22/06/09

スペースクール、鴻池・鈴与らと新素材のトラックでの冷却効果を検証

 放射冷却素材の製造・販売を行うスペースクール(本社・東京、宝珠山卓志社長)は6月、放射冷却素材「スペースクール」を活用し、トラックの燃料消費削減効果などを確認する実験を開始した。荷台内の温度の抑制や二酸化炭素(CO2)排出量削減効果を検証し、トラック業過の脱炭素化に役立てる。
 実験には鴻池運輸や鈴与、日野自動車ら物流関連企業12社が参加。積載トン数や走行パターン、荷台の温度帯の異なるトラックを用意。荷台の点面や側面にスペースクールを装着した車としていない車で各地域を夏の間に走行。荷台内温度や燃料消費量、CO2削減効果を比較する。
 スペースクールは高性能・高耐久の光学フィルム。太陽光と大気からの熱をブロックし熱吸収を抑える。また放射冷却技術の活用で、宇宙に熱を逃がすためにエネルギーを使わずに外気温よりも温度低下が可能となる。大阪ガスらが共同で開発した。
 物流業界では、燃料価格高騰による省エネ化のニーズや、社会的要請を受けた脱炭素の動きが顕在化している。一方で高気温下でのアイドリンクストップは、ドライバーの熱中症の危険や輸送品質低下につながる可能性もある。実験を通じて、ゼロエネルギーの冷却素材の可能性を検証し、物流業界の抱える課題の解決につなげる。

トラックを使用した実験では冷却効果が確認されている