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22/05/23

鴻池運輸・新中計、2025年3月期の売上高目標は3320億円、30年ビジョンも見直し

 鴻池運輸(本社・大阪市、鴻池忠彦社長)は2023年3月期から25年3月期までの3カ年の中期経営計画で、売上高目標を22年3月期比10%増の3320億円に設定した。営業利益は同56・9%増の160億円を目指す。メディカル分野の物流や関連サービスに注力するほか、フォワーディング事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略などに取り組む。
 注力する事業のうち、メディカル関連では新規病院の開拓や新サービスの開発を図る。病院での滅菌、手術室補助、院内物流などの知見や技術を生かし、医療機器メーカーと連携した複合サービスを展開する。
 航空機の地上支援作業を含む空港関連事業では、コロナ禍を経て変化した航空会社の成長戦略に対応。経営資源を空港別・サービス別で柔軟に投入する。
 国際事業の成長に向けて重要地域と位置付けるインドでは、メディカル事業の展開を進める。現地で培った人脈などの強みを生かし、国内の既存顧客のインド事業展開を後押しする。
 また、既存事業の領域・地域の開拓や組み合わせで新事業の開発も図る。環境対応や働き方改革、人材育成と技術基盤の強化などにも取り組む。フォワーディング事業のDXでは、すでに海上輸出入業務のオンライン支援サービス、倉庫の自動化オペレーションの共同実験などを始動した。
 新中計の策定と併せて見直した2030年ビジョンでは、「技術で、人が、高みを目指す」を30年に同社グループの在りたい姿とし、財務目標は売上高4500億円、営業利益250億円と設定。同ビジョンを最初に発表した18年以降、新型コロナウイルスの影響などで事業環境が大きく変化し、21年3月期までの前中計では数値目標が大幅な未達に終わった。構造改革プランを掲げた22年3月期の方針を踏まえ、今回の新たな30年ビジョンを策定した。