- 物流企業
22/05/17
近鉄GHD、KWEへのTOBを開始
近鉄グループホールディングス(本社・大阪市、小倉敏秀社長)は5月16日、近鉄エクスプレス(同・東京、鳥居伸年社長)への公開株式買付(TOB)を開始した。持分法適用関連会社であるKWEを完全子会社にし、人流主体の事業バランスに物流を加え、より変化の強い企業体へと進化する。
近鉄グループは、運輸事業を主体に、観光やサービス業など主に国内の人流に焦点を当てて事業を行ってきた。そのため、コロナ禍が事業を取り巻く環境が大きく変化し、今後も競争が激化する見込み。そこで、物流を主業とし、グローバルに事業を展開しているKWEを完全子会社にし、より強じんな事業バランスを構築したい考え。
またKWEも、国際物流の混乱や、コンテナのスペース不足など外部環境の変化にさらされている。今後、柔軟な投資や経営基盤の強化を図り、安定した成長につなげたい考え。
近鉄グループは、子会社の持ち分も含めKWEの発行済み株式の47・09%を保有。TOBにより、22・56%以上の株式を取得し、議決権の3分の2以上を取得したい考え。1株当たりの買い付け金額は、4175円。
両社は、近鉄グループの経営資源を共有し、さらなる成長を目指す。近鉄グループは、運輸・不動産に物流という事業を加えることで、事業環境が安定する上、物流を成長ドライバーと位置付け資源の投入などの促進策を実施する。KWEは、株式市場の制約を受けない柔軟な経営体制を取れることに加え、近鉄グループの持つさまざまなノウハウを共有し、よりスピード感のある成長につなげることができる。