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22/05/10

国交省、衛生用品の課題解消向けパレット化へ行動計画

 紙おむつや生理用品などの衛生用品のパレット輸送を推進するため、国土交通省は4月18日、今後の計画をまとめたアクションプラン(行動計画)を策定した。T11型(1100×1100㍉㍍)パレットを軸に、具体的な取り組み内容を示した。商品設計の段階から積み付け効率を考慮した外装サイズの最適化に向けても動き出す。
 パレット輸送を推進する取り組みは、トラックドライバーの長時間労働改善と生産性向上を目指す施策の一環。重量が軽く容積勝ちの品目の衛生用品は、手荷役によるバラ積みが多く、長時間労働の一因となっているため、国交省は2021年10月から、パレット化に向けた検討を開始。有識者研究会で検討を重ね、今年3月に対策をまとめた。
 パレットサイズについてはT11型を軸とする。昨年度、国交省はメーカー―卸間で輸送実験を行い、衛生用品業界で使われる0525型(1050×1250㍉㍍)と、T11型を利用した際のメリット・デメリットを比較して検証した。
 結果、0525型はT11型より積載効率が向上した半面、トラックへの積み付けパターンが増えたり、T11型対応の自動倉庫に商品を保管する時に、再度パレットへの積み替えが発生したりすることが分かり、T11型を標準とすることが良いと結論付けた。

外装サイズの見直しも着手

 T11型を使ったパレット輸送に向けては、まず23年度までに荷量の多い品目で導入を目指す。その他の商品は24年度以降、パレット化を進めていく計画だ。
 今年度から数年間かけて進める取り組みとして、商品設計の段階から、パレットへの積み付け効率を考慮した外装サイズの見直しにも着手する。
 実現には製造ラインの変更をはじめ、経営層を含む社内関係者の合意が不可欠なため、ドライバーの長時間労働改善といった物流の視点だけでなく、安定的な商品供給が自社の利益や、環境負荷低減につながることなどをアピールし、段ボールサイズの最適化を図る。
 この他、アクションプランでは行政の支援について、物流総合効率化法に基づく支援や、複数企業の連携で生産性を高めた取り組みを表彰する制度の新設などを明記。行政の旗振りの下、関係者によるフォローアップも定期的に行っていく。