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22/04/26

JILS会員調査、物流の課題はコスト削減

 日本ロジスティクスシステム協会(遠藤信博会長)の会員への調査によると、物流の課題はコスト削減(コスト改善)と考えている企業が52・6%に上ることが分かった。ドライバー不足や燃料費の高騰で、実運送のコストが増加する中で、サプライチェーン(供給網)全体で、いかにコストを抑える提案ができるかが求められそうだ。

 回答したのは、企業会員292社と個人会員309人。回答業種は物流業が最多で40%、製造業が32%、流通業が11%、サービスが9%となった=グラフ1。

 

 回答企業に物流・ロジスティクス・SCM部門で事業推進する上での課題を3つ尋ねたところ、最多は「物流コスト削減(物流コスト改善)」で52・6%。「物流・ロジスティクス分野でのDX」が35・8%、「物流品質管理」が26・8%、「人材の育成・管理」が25・8%と続いた=グラフ2。

 

 物流DX(デジタルトランスフォーメーション)で感じている課題を聞くと、「推進する人材の不足」が59・6%で1位。「関連するサプライチェーンで標準化ができていない」が47・5%、「投資が難しい」が29・0%と続く=グラフ3。

 

 自動化・省人化に向けた投資では、約5割の企業が、「実施済み」又は「投資計画を検討中」で、3割も具体的な計画は無くても検討中や関心があるとの回答を寄せている。
 物流・ロジスティクス・SCM関連部門での人材管理についての課題をきいたところ、「育成」が79・2%と最多。「採用」が56・0%、「評価」が34・0%と続く。JILSに求める関連事業としては、「各企業の取り組み事例集の作成」や「取り組み事例の発表会」など好事例の共有を求める声が多かった。

求められる資質はコミュ力

 今後より必要となる社員の資質を複数回答で聞くと、「コミュニケーション能力」が63・6%、「課題解決能力」が61・9%、「企画力」が56・6%だった。
 各社にサプライチェーンの課題を自由記述できくと、商慣行や、待機時間、付帯作業が多いなど、改善が抜本的には進んでない現状が見て取れる=表。特に加工食品や日雑品などでは、商習慣などの課題を挙げる企業が多いようだ。