• 行政・業界団体

22/04/18

公取委、貨物運送など22業種を対象に価格転嫁で緊急調査

 下請け企業の価格転嫁の状況を確認するため、公正取引委員会は緊急調査に乗り出す。3月30日、道路貨物運送業など対象の22業種を選定した。今年度の早期に実施し、調査結果は報告書としてまとめて公表する。
 ウクライナ情勢の緊迫で原油や原材料価格の高騰が続く中、独占禁止法の優越的地位の乱用の実態を把握する。22業種は関係省庁からの情報提供や要請を基に選んだ。道路貨物運送業の他、製造業、卸売業も含まれており、具体的な調査内容は今後検討する。
 価格転嫁を妨げる代表的な原因として、公取委は値上げを理由とする転注(注文取り消しと他社への発注)・失注(受注の失敗)リスク、価格競争による転嫁受け入れの難しさ、発注者・元請けの立場が強さがあるとみている。調査は必要に応じて22業種以外にも広げる方針で、価格転嫁拒否が疑われる事案には立ち入り調査も行う。
 緊急調査は昨年12月、円滑な価格転嫁を推進する政府の政策パッケージを踏まえたもの。公取委が関係省庁と連携し、買いたたきの実態を把握することとしていた。