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22/03/29
国交省、鉄道物流で検討会
鉄道貨物の物量拡大に向け、国土交通省は17日、有識者検討会を立ち上げた。貨物鉄道の使い勝手改善やトラックとの連携の方策を議論し、7月に報告書をまとめる。
検討会はJR貨物やJR各社に加え、全日本トラック協会、全国通運連盟、全国農業協同組合連合会などが参加している。
貨物鉄道の拡大に向けては、2012年に有識者検討会を設置し、品質や輸送力改善、物流効率化提案などに関する将来ビジョンを策定。その後は対策に取り組んできたが、台風や豪雨災害に伴う鉄道の寸断などが相次ぎ、18年度以降、輸送量が伸び悩んでいた。
一方、24年4月から適用されるトラックドライバーの残業上限規制や、脱炭素化の対応が課題となる中、鉄道は重要な役割を果たすことから、これまでのビジョンの検証を含め、新たな方策を検討することとした。
検討会では今後、①貨物鉄道の使い勝手の改善②トラックとの連携強化に向けたサービスづくり③環境保護の観点から荷主に鉄道利用を促すための意識改革――の視点から議論を行う=表。
例えば、貨物鉄道の使い勝手改善では、休日の輸送余力活用など既存の仕組みの見直しや、輸送品拡大に向けた方策、災害や環境の対策、新幹線物流の方向性を話し合う。初会合では、JR貨物が将来ビジョンの取り組みの進ちょくと共に、輸送量が伸び悩む原因と対策を報告した。
今後、通運会社、鉄道利用が多い荷主、貨物駅周辺に物流施設を所有する物流不動産関係者から意見を聞き、7月に3つの視点について方策をまとめる。これを踏まえ、鉄道局や公共交通・物流政策審議官部門の他、環境省などの関係省庁が23年度の予算概算要求に反映し、施策を進めていく方針だ。